2021/04/18

『よくわかる高等教育論』が刊行されました

橋本鉱市・阿曽沼明裕編『よくわかる高等教育論』(ミネルヴァ書房、2021年)が刊行されました。私は同書に所収されている3つの項目を執筆させていただきました。

初学者向けの入門的テキストを謳う本書ですが、非常に豊かな内容が織り込まれていると感じます。高等教育にとって基礎的といえる項目が網羅的に含まれていると同時に、最初の項目が「大学へ行く意義」から始まっていたり、「フランス専門学校主義」「イスラームの大学」「大学における知の生成」などユニークな項目が盛り込まれていたり、研究者が読んで面白く読める項目も多くあります。

また、私自身、執筆してみて思いましたが、高等教育の分野は、基礎的に見えるテーマにこそ奥深い内容が潜んでいたりします。その意味で、初学者の人が通読して基礎的な理解を得ることができると思いますし、あるいは、特定のテーマについての理解を深めるために部分的に拾い読みをすることもできると思います。本書の内容を基に、参考文献などを辿りながら自分の疑問を深め、あるいは広げることも可能な作りになっています。

大学・高等教育に関するテキストとしては大経コース編『大学経営・政策入門』(2018年、東信堂)、小方直幸編『大学マネジメント論』(2020年、放送大学)もあります。これら2冊は大学院に入学したばかりの人や学部の高等教育関連の授業を受ける人、これから大学院に進むことを志す人に読んでもらいたいと思いますが、これら類書が蓄積される中で、これらをしっかり読むだけでもかなりの水準の理解に至るのでは、とも思えます。

私が執筆に関わった類書には、児玉善仁・他編『大学事典』(平凡社、2018年)もあります。こちらは事典なので大部ですが、関心ある項目をピックアップして読み、理解を深めるのに役立ちます。

ぜひこれら類書を縦横に読みこなし、専門分野としての大学・高等教育に多くの人が関心を持ち、この分野に関する理解が広がっていくことを期待したいと思います。



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