2021/07/06

比較教育学会で研究発表をしました

6月25~27日の3日間にわたって、日本比較教育学会の第57回大会がオンラインで開催されました。5月から6月にかけては、所属する学会の年次大会が相次いで開催されるため、例年だと出張が多い時期なのですが、今年はすべてオンラインの開催となり、移動が必要ない分、参加しやすかったですが、やはり友人たちと直接顔を合わせられないのは寂しさが残りました。

比較教育学会は昨年の大会が中止となったため、2年ぶりの大会となりました。

私は自由研究発表で、「アメリカ合衆国における教養教育理念に関する考察」と題する発表を行いました。日本の教養教育の現状を踏まえつつ、アメリカとの比較の視点から最近考えていることを発表しました。参加者からいくつか質問を受け、私自身にとっても教養教育理念について理解を深めるよい機会になりました。

また、初日のラウンドテーブルでは、研究委員会企画の「比較教育学を学ぶ人のためのアカデミック・キャリアシリーズ Ⅲ―比較教育学の実践・成果をどう発信するか―」に研究委員の一人として参加しました。新旧研究委員の森下稔・鴨川明子・市川桂氏が編集された『比較教育学のアカデミック・キャリアー比較教育学を学ぶ人の多様な生き方・働き方』(東信堂、2021年刊)をベースとする内容でした。学会の研究委員会では、昨年度のコロナ禍による大会中止を受けて、若手有志によるオンラインでの研究発表会を企画するなど、乾美紀委員長のもとで、若手支援の企画を検討してきました。ラウンドテーブルに続いて、「若手研究者交流会」が開かれ、私も続けて参加しました。

交流会では、研究キャリアに関する話を求められ、私がいかに数々の失敗と紆余曲折を経て今に至っているかについて短い話をしました。「東大教授」といってもいろんな人がいるのが世の中の面白いところです。私自身、反面教師の話はとても役に立つと考えており、そのひとつのケースとして参考になればと思い、話をしました。

また、比較教育学会では今年度から若手交流委員会(鴨川明子委員長)を立ち上げることが今回の大会で認められました。研究分野における後継者の育成は学会にとって重要な使命であり、研究委員としてこれからできることを協力して手掛けていきたいと思います。

大会最終日の課題研究では、研究委員会の企画する「学校に行けない子どもたち(OOSCY)とは」に参加しました。アセアン諸国の5カ国の事例を聞きながら、貧困を原因とする子供たちだけではなく、外国籍・無国籍や少数民族の子どもにOOSCYが多いことが分かり、私にとって重要な勉強の機会となりました。ゆえに、国民統合とも関係する問題としてOOSCYを捉える必要があると感じました。登壇者の皆様には私からの質問にも答えていただき、理解を深めることができました。ありがとうございました。

2日間の自由研究発表ではいろんな部会で発表を聴きましたが、世界の教育についてさまざまな角度から取り上げた有意義な発表が多く、忙しくも楽しい時間を過ごしました。

大会を主催いただいた筑波大学の関係の皆様、開催に当たって様々なご配慮をいただいた学会事務局の皆様に感謝を申し上げます。




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