2021/03/07

2020年度のオンライン授業

2020年度も終わりに差し掛かりつつあります。

今年度は私の教えている大経コースでも、すべての授業がオンライン開講となりました。そして、残念ながら、2021年度も少なくとも前半はこの状況が続くことになりそうです。

2020年度の新入生たちは、仲間や教員と直接会うことがかなわず、たいへんな思いをしました。彼らがこれ以上しんどい思いをしなくてよいように、また、2021年度の新入生たちが少しでも対面での交流の場を持てるように、2021年度には、コロナの感染状況を見極めながら、可能な方策を考えていきたいと思います。

一方、授業がすべてオンラインになったことで新たな展開も生まれました。一番大きな効果を挙げれば、遠隔地に住む学生たちが授業を履修可能になり、また東京まで来なくても受講が可能になったことです。大経コースには、大学などで働きつつ大学院に通うために、遠隔地から就学する人が少なくありません。そういう人たちに学ぶ機会を広げる、あるいは学ぶための時間的・経済的コストを下げる上で、オンライン授業は大きな効果を持つことが実感できました。

また、オンライン授業では、授業としての基本的な学習内容は対面授業と大差なく学べることも実証できました。授業でよく用いるグループディスカッションの方法も、Zoomのブレークアウトセッションを用いれば、対面の場合と大差なく実施できました。

他方、オンライン授業の課題は、インフォーマルなコミュニケーションにあります。授業の前後で学生同士でおしゃべりしたり、授業の後に教員のところに来て気軽に質問したり、そうした部分は、工夫すればある程度可能なのですが、対面の時と同じようにスムーズに行うことは難しいことが分かりました。これらインフォーマルなコミュニケーションは、フォーマルな授業での学びを下支えする上で重要な意味を持っていると私は思います。この課題を解消するには意図的な工夫を織り込んでいくことが大事になると思います。

今後は、オンライン授業の効果を持続させると同時に、課題を解消していく上で、対面とオンラインとのハイブリッド授業などを構想していく必要がありそうです。2020年度の経験を総括しながら、今後の授業のあり方を慎重に検討していきたいと思います。

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