2021/08/14

子どもの貧困と学習支援に関するシンポジウムを開催しました

7月27日に、子どもの貧困と学習支援に関するシンポジウムを開催しました。

東京大学教育学研究科(学校教育高度化・効果検証センター、およびバリアフリー教育開発研究センター)とNPO法人Learning For Allとの共同開催という形で、オンラインウェビナーで開催しました。

私は司会と趣旨説明を担当しました。

一般公開で開催したところ、多くの方々の関心を呼び、学内外の360名ほどの方々にご参加いただきました。シンポジウムの中では参加者の皆さんから多くの質問・コメントをお寄せいただきました。また、終了後のアンケートでも多くのコメントをご提起いただき、子どもの貧困問題に対する社会的な関心が高まっていることを感じました。ご参加いただいた方々、貴重なコメントをお寄せいただいた方々に御礼を申し上げます。

子どもの貧困については、政策的にも、文科省、厚労省、内閣府で課題として取り上げられており、2020年には秋の行政改革レビューに「子供の貧困・シングルペアレンツ問題」が取り上げられました。この点について、大経コース修了生の刈屋早央理さんに貴重な情報提供をいただきました。ありがとうございました。

当日は、LFAの李炯植さん、多田理紗さん、松村磨季さんのお三方に、子どもの貧困の実態や課題、それに対してLFAがどのような働き掛けや活動を行っているのかについてお話しいただきました。

その後、教育学研究科の小国喜弘教授(バリアフリー教育開発研究センター長)にバリアフリーの視点から、また本田由紀教授(教育社会学)に教育社会学研究の視点からコメントをいただき、それらを元にフロアとの議論を行いました。

私にとっては、普段行っている高等教育の研究とは異なるテーマではありますが、すべての人々の学ぶ権利を保障することは、あらゆる教育段階を貫く重要な問題であることを改めて認識しました。

これまでの日本ではこの問題は比較的、社会的な関心を呼ぶことは多くありませんでしたが、例えば、アメリカでは人種や民族、経済的状況による高等教育機会の格差は、高等教育研究の重要テーマとなっています。マイノリティやファースト・ジェネレーション学生に対する教育機会の提供や就学支援の問題は常にホットな研究テーマです。

今後ともLFAと教育学研究科で相互の交流・連携を進めながら、日本でのこの問題に関する検討、そして実践的活動を進めていきたいと思います。

当日のプログラムと資料は以下のページでご覧いただけます。


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